狼たちへの伝言 落合信彦

精神的な強さなんてのも、しょせんは肉体的な強さに裏うちされたものなのだ。肉体的にケンカの弱いヤツで精神的に強い人間、などというのにオレはまだ会ったことがない。
「おまえ、負けたけどよくやったな」なんて、絶対に言ったりしない。そんなのは日本人だけのメンタリティーなんだ。
小便クサイ女に少しばかりモテて、それでいい気分になっているヤツらをオレはプレイボーイだとはけっして思わない。
彼らには、理想も志もありはしない。あるのはただ、”金”だけだ。そんな連中を、まるで成功者であるかのように見なしてきたのが、この国なのだ。…
だが、いまいちばん必要とされているのは、若者たちの怒りではないか、とオレは思う。ひどい現実を目の前にして、なぜ怒らないのか――。
賭けは男を磨く。それは、たかだか数千円のチンケな資金で、ン千万円を狙うようなものではない。金はもちろん、名誉も、人生も、そして従業員とその家族の生活までも賭けるということなのだ。自分のすべてをさらけ出すことなのだ。
本来、夢というのはなにもないところでただ想うものではない。行動を起こしながら、その夢に突き進みながら語るものなのだ。
言葉の意味
- のれんに腕押し…相手の反応がまるでなく、張り合いがないことの例え。
- つけあがる…相手の寛大さに乗じて増長する。
- 与太者…何の役にも立たない者。手がつけられない者。
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